巻島裕介の名前について考える




巻島 裕介。

巻島 裕介、なのである。なんと素敵な名前でしょうか。響きが良い。呼びたくなる。苗字も名前も四文字同士で、両方とも三文字目に「さ」行が入ってくるところとか、ほんとね、好き。ユースケ・マキシマリアといった感じ。いや……うん、例によって巻島のこととなると意味の分からないことを時折言ってしまうのですが、見逃してください。

さて、今回はこの「裕介」という名前について考察をしていきます。


裕という漢字

「裕福」や「余裕」「寛裕」などに使われているように、裕、という文字は、ゆとりのあるさまを表すのですね。

実際にお金持ちな家庭に生まれた彼ですが、考察なので、もう少し深いところまで読み解いてみようと思います。まず「裕介」の「裕」という文字から。部首がころもへん(衣)で成り立っているこの漢字、どうも元は「着るもの(衣料、衣服)に困らない」という意味から来たもののようです。たしかに、巻島裕介といえばその特殊なファッションが注目されていることが多いですよね。兄も服飾デザイナーですし、きっとこの先も着るものには困らないのではないかと思います。そして、あのスタイルですから私のような短足マンが行う裾詰めという作業も必要ないのでしょう。本当に着るものに困らないじゃないか巻島…完璧じゃないか巻島ァ…。素敵……好き……。ハッ、すみません考察からはずれそうになりました。巻島が素敵すぎてすみません。

考察を続けます。この「裕」という字、右側の「谷」については、襟を表しているとのこと。襟元の左右から走る線が谷のように見えるため、象形文字としての要素があるようです。巻島は、襟元が大きく開いたお洋服が好きだったり、制服のシャツは首元のボタンを基本的に外していたり、サイクルジャージのファスナーも上まで留めていなかったりと、襟元にゆとりがあることを好んでいます。つまり、「襟」にわりとこだわりがあるのです。名前の影響がでてきているのかもしれませんね。名は体を表すといいますし。

また、谷という場所は山と山の間、つまり山に囲まれた場所です。巻島といえばクライマーですね。山の間を流れるように走る、美しい髪。巻島の髪は玉虫色とされていますが、山合いの谷にある、秋の川面のようにも見えますよね。ちらちらと紅葉が散っていて、陽にあたると緑のような青のような、表現し難い美しい色。本当に素敵。秋の紅葉が好きです。でも巻島のほうがもっと好きです。ハッ、また考察から外れそうになったのですが、「裕」の右側、谷の部分は襟元を表しているほかに、「多くの物を取り入れる」という谷の構造も影響しているのだそう。多くのものが取り入れられるから豊かさを連想させるのだとか。たしかに色々と取り入れているんですよね、彼。小学校から中学校までは独りで乗っていたロードバイク、高校からチーム(部活)に入って、先輩の助言や金城たちという仲間、東堂というライバル、新しいバイクなどを取り入れて、どんどん成長してゆく。また、色々な物を取り入れてしまうからこそ、悩んだり、他人を想って戸惑ったり、空回りしてしまったりする。そこが彼の魅力でもありますね。

色々考えてきました結果、この漢字は巻島のために作られた、ということでよろしいのではないでしょうか。巻島が生まれてから出来た、あたらしい漢字なんでしょう……? そうでしょ…? そう思わずにいられません。


介という漢字

「介護」「仲介」など他人を助けるような単語で使うこともあれば、「狷介」「清介」など世間離れした印象のときも使われる漢字です。

この文字は、鎧の中に入った人を表す象形文字とのこと。そのために、身を守る意味である「助」の使われ方と、外から隔たれる「個」の意味、両方で使われるようです。なんだそれめっちゃ巻島じゃん。小野田をいつも助けてくれたのは誰? 巻島ァ! 田所が体調不良のとき最初に助けたのは誰? 巻島ァ!! 表彰台に上がる鳴子に肩を貸しているのは誰? 巻島ァ!!! そうなんですよ、この人だいぶ人を助けがちなんですよ。ダメだよそんな優しさ簡単に見せびらかしちゃ……周りで見てる人、好きになっちゃうからァ……あ、手遅れでした。もうだいぶ好きでしたわ。

で、「個」のほうも巻島ですよね。個性的なキャラクター。独自のファッションセンス。彼しかできない走法。自分が個性的であると認識しているからこそ、他人の個性も重んじる。小野田には自分の個性を貫いて勝てと激励する。

そして彼は、かつて一人だった。時間が経ち、また一人になった。SPARE BIKE1巻、高校一年生のときに先輩たちにスパイダークライムをバカにされて「“今まで通り”1人で走りゃあ(いいショ)」と言っています。そこから仲間を得て、勝利を得て、一人で旅立ち、「しょげた顔」をする。どこか仏教的な生き方をしているんですよね、彼。人間は一人で生まれ、一人で死に、一人で去り、一人で来る。それを悟ったような言動。一人になるときはそうなることを他人に隠す。オレ練も、そう。自分という「個」を大事にして考えた結果であるから、曲げられないと分かっているのだと思います。それこそ鎧のように固い意志を持った男なんですよ。他人の言葉に左右されず、自分が、どうしたいか。それをちゃんと考えられる。考えたことは、曲げない。格好いいですよね。


「裕介」

上記の通り、巻島裕介マジで裕介って感じなんですよ。本当、本コラム中2回目となりますが、名は体を表してますね。ゆとりを持ち、多くを取り入れ、他人へ与え、個を大切にし、一度考えたことは硬く、曲げない。え……? なにこの最高な男……? 好き……。



兄・レンについて

拙作「やわらかな感情」で、まだ「REN」としか出てきていない兄の名前に「廉」という字を当てているわけですが、なぜかというのをここで触れておこうと思います。

最初、「裕」なら同じ衣類系の部首が入っている「練」かなとも考えたのですが、この「練」って、喪服、の意味もあるらしく、となると名前としてはあまりふさわしくないのかな、と思いまして。名前としてありそうなのは「蓮」かなとも思うんですが、同じ両親と考えると、ちょっとセンス違う気がするんですよね。「裕介」に対して、おしゃれすぎるというか。第一子は父親がつけて、第二子は母親がつけた、とかだったら、ありそうなんですけどね。周りの、三〜四兄弟で名前に統一性がない人の話を聞くと、そうだったりします。ただ今回はその線は置いておいて、同じように名付けたなら、と考えると「廉」がしっくりきたんです。

では、「廉」という文字はどんな意味があるのか、といいますと。潔い、という意味や、節度がある、という意味があります。また、「裕」との対で安い、という意味も。

まず、潔い、思い切りが良い、という部分ですが、日本を出てイギリスへ行っているところから、そういった性格が垣間見えますよね。そして、仕事が忙しい時期に日本へ帰国した弟を快く見送ってやる。ぶーぶー言ったりせず、「いってこい裕介」と一言だけ。この兄弟、格好良すぎか……? なんなんだ……こっちはその尊さで死ぬんだぞ? いいのか? という感じですよ。それはさておき、この兄、まさに清“廉”さがあるんですね。

次に、節度がある、つつましいという意味では、RIDE.319を見ると分かるのですが、階段しかないビル、二階以上、さらに事務所(=Order Design REN)宛の郵送先としても設定している一室で、弟とシェアハウスしてるんですよ。めっちゃしっかりした兄ですね。ただ、四畳半みたいな、ぎゅうぎゅうな感じではない。この「廉」という漢字、「“行き過ぎのない適切な程度の”節度がある」という意味らしくて、それっぽいな、と。

上記の理由から、「やわらかな感情」では兄の名前を「廉」とさせていただいております。

もちろん、原作できちんと漢字が出てきたらその通りに直します…!



このほか、画数で考えたり姓名判断をしたりなどするとまた色々と面白いかもしれないのですが、前回星座占いだったので、今回は占い的な要素は取り入れず、漢字の成り立ちのみということで締めさせてください。さァみなさん、推しの名前について調べるのだ…!




出典:漢字/漢和/語源辞典(https://okjiten.jp/)

出典:Goroh Tagawa Calligraphy Works Official Website(https://sho.goroh.net/yuu/)

出典:【漢字トリビア】「介」の成り立ち物語(https://www.excite.co.jp/news/article/TokyoFm_EfYJkpQFUj/)







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